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渡辺 正; 蕪木 英雄
Physical Review E, 54(2), p.1504 - 1509, 1996/08
被引用回数:8 パーセンタイル:40.22(Physics, Fluids & Plasmas)2次元レイリーベナール系における巨視的な流れ場の熱伝導/対流遷移を分子動力学法によりシミュレートした。上下面の温度差が小さい場合に熱伝導状態が実現され、ここでは原子運動はランダムであり大規模な流れは発達しなかった。温度差が大きいと巨視的な対流渦が現われ原子の軌跡は渦にそったものとなった。原子のカオス運動の度合を示すリアプノフ指数は、熱伝導状態では平均温度と温度差とともに増加するのに対し、巨視的な自己組織化運動である対流状態では流速にも依存して増加することが明らかとなった。
鈴土 知明; 林 光二; 篠原 慶邦
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(8), p.727 - 740, 1993/08
被引用回数:6 パーセンタイル:55.97(Nuclear Science & Technology)カオス理論に基づいた炉雑音解析法を原子炉出力振動の監視および診断に応用した。我々は時系列データから測定できる特微量の一つ、情報次元に注目した。非線形系がパラメーター変動によってその漸近解が変化するとき、情報次元も変化する。一般に、情報次元の決定には相関積分の傾きが使われる。この相関積分の傾きを使うことにより出力振動がおきている実データがリミットサイクル的であると診断できた。また、この方法はパワースペクトルや減衰比のような従来の方法よりも出力振動に関して詳細な情報を与えることが判明し、その監視に応用できることが実証された。特に実時間システムへの応用を考えた場合、相関積分の傾きの計算に要する時間は問題がないことが確認された。
鈴土 知明
Nuclear Science and Engineering, 113, p.145 - 160, 1993/02
被引用回数:12 パーセンタイル:74.44(Nuclear Science & Technology)カオスの特徴量の1つであり、アトラクターのフラクタル次元に等しい情報次元は非線形システムの時間発展の漸近的ふるまいを決定する。この量の炉雑音解析への応用を提案し、特に、出力振動への応用の可能性をしらべた。出力振動がリミット・サイクルを形成している場合には、情報次元は独立な振動モードの数に等しい。よってそれは直観的にわかりやすい量である。解析用のデータとしては、BWRの振動モデルから得られたシミュレーション・データとNSRRから得られた実データを用いた。結果として、いずれの場合もこの方法の有効性が示され、線形的な方法を用いた場合よりもより詳細に解析できることがわかった。
藤村 薫; 河村 洋*
エネルギーレビュー, 12(11), p.12 - 18, 1992/10
流体運動におけるカオス現象、とくにレイリー・ベナール対流における遷移過程とカオスについて、数式を全く用いず、極めて平易に解説した。